リハビリテーション部
住み慣れた街で、
自分らしく暮らしたい
という
一人ひとりの思いを大切にします。
リハビリテーション部は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士で構成されています。回復期リハビリテーション病棟を有する当院では京都府南部で最大規模のセラピスト数を誇り、在宅復帰に向けて適切な時間をかけて最適なリハビリテーションを提供しています。
リハビリテーション部の理念
「患者様とともに取り組むリハビリテーション」を実践します。
リハビリテーション部の方針
- 客観的な評価と充分な説明のもとに、患者様一人ひとりに合わせた適切なリハビリテーションを実施します。
- 常に相手の視点に立って考え、患者様に対して思いやりの心を持って接します。
- 地域からのニーズを理解し、京田辺を中心とした当地域に根差したリハビリテーション提供体制の構築を推進します。
回復期リハビリテーション病棟に
おけるリハビリテーション
脳卒中や骨折などの病気や怪我に必要な急性期の治療を終えた後、患者様が病前の日常生活に戻れるように、多職種のスぺシャリストがチームを組んで全体としてリハビリテーションに関わっていきます。リハビリテーションのうち、理学療法・作業療法・言語聴覚療法は患者様の状態に合わせて1日あたり最大3時間のリハビリテーションをおこないます。
リハビリテーションの種類
理学療法
理学療法は、病気、けが、高齢など何らかの原因によって、寝返る、起き上がる、座る、立ち上がる、歩くなどの動作が不自由になった状態の方々に対し、運動療法や物理療法によって身体機能の改善を図ります。
作業療法
作業療法は、病気、けが、高齢など何らかの原因によって、家事や仕事などの生活に必要な動作が不自由になった状態の方々に対し、運動療法や生活行為練習によって社会適応の促進を図ります。
言語聴覚療法
言語聴覚療法は、ことばや聞くことの障害などのコミュニケーションの問題に対して、必要に応じて練習、指導、助言、その他の援助をおこないます。また、「口から食べること」の問題にも専門的に対応します。
敷地外リハビリテーション
施設内で完結できないものは
敷地の外に飛び出し解決を図ります。
社会復帰に必要な公共交通機関等の移動手段の獲得、復職や復学、家事能力の獲得を目的に施設内に留まらないリハビリテーションを展開していきます。退院後に「初めておこなう」ではなく、患者様が望むもの、必要なものは制限せずに、入院中に練習したものを退院後に実践していただきます。
住宅環境確認
それぞれの環境に合わせた
リハビリテーションを
テーラーメイドしていきます。
入院時もしくは退院時にセラピストや社会福祉士がご自宅を訪問します。住宅環境や屋外環境を把握することで、入院中より退院後の生活を想定したさまざまなリハビリテーションを提供していきます。また、在宅復帰にあたり福祉用具や住宅改修の必要性について検討し、安心して日常生活が送れるように助言をさせていただきます。
NST
リハビリテーションに必要な
構成要素である栄養を
多角的にアプローチします。
医師や言語聴覚士、管理栄養士、看護師など職種を超えた専門的見地から、リハビリテーションに必要なミナモトとなる栄養について考えていきます。日々の食事摂取状況やリハビリテーションの進捗状況から必要な栄養量を導き出し、リハビリテーションの効果を最大化させていきます。
リハレクリエーション
“はりあい”と“よろこび”から、
穏やかな灯りで日常生活を照らします。
疾患や年齢にともなう認知症に対して、認知機能面や運動機能面からチャレンジしていきます。個別に対応するのではなく社会的交流のなかで、楽しみを感じ笑顔で参加をしていただきます。私たちは患者の思いを尊重し、その人がその人らしく生活するかけがえのない価値を大切にしていきます。
ガーデニングリハ
育んでいく気持ちを
リハビリテーションに活かして、
日常生活に彩りを提供します。
季節に合わせた植物や野菜を育てていく楽しみや手をかけていく愛情、他者との触れ合いから健康的な生活の質を高めていきます。また、その全てをリハビリテーションに対する意欲向上につなげていきます。栽培した野菜はリハビリテーションの調理練習やガーデニングレクリーションとして作業活動に利用していきます。
セーフティマネージメント
ポテンシャルを最大発揮するための
安全をマネジメントし、
チャレンジできる環境を整えます。
医療安全管理者養成講座を受講したセラピストが室内環境を整え、安心して病棟生活を送れるように援助しています。また、一つ先の能力を再獲得するために必要なセーフティネットを張り、全力で取り組めるリハビリテーション環境を構築しています。部内の医療安全文化の成熟を図るため、研修会の企画・運営もおこなっています。
リハビリテーションPR
リハビリテーションの価値をデザインして、
地域に発信をしています。
石鎚会グループが発行する広報誌「やすらぎ」において、“気軽に始められるリハビリ体操”を提供しています。テーマや季節ごとに応じたリハビリ体操を考案し、地域の皆さまに健やかな生活を送っていただくための発信をしています。
リハビリテーション教育
価値あるリハビリテーションを
提供するため、
私たちは成長に情熱を注ぎます。
- 新人教育
-
入職後2か月間、集中的に新人教育をおこないます。まずは、「1年間安全にリハビリテーションを提供できる」ための知識や技術を習得していきます。内容は養成校での復習から、当部独自の内容を含めて多岐にわたります。
2か月間の新人教育で学んだ後は、新人教育の最終到達点である「3年目までに症例報告を学会で発表すること」を目標に臨床業務から学びます。症例報告は、「みんなで、一緒に考えて、一緒に悩んで、一緒に答えを出す」過程のなかで、発表者だけではなく、部署全体としてみんなで成長をしていきます。
- ・リハビリテーション部の理念と方針
- ・診療報酬制度について
- ・トップダウンについて
- ・各疾患別リハビリテーション
- ・トランスファー
- ・触診
- ・ハンドリング
- ・摂食嚥下機能について
- ・構音機能について
- ・FIM採点方法
- ・セーフティマネジメント
- ・その他
学会活動(2023年度)
第43回回復期リハビリテーション病棟協会研究大会in熊本 | 移乗動作における皮膚損傷事例軽減に向けた取り組み | 吉野七海 |
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第28回日本基礎理学療法学会学術大会 | 他者の運動映像を提示した際の運動主体感の生起について | 伊藤夢基 |
第28回日本基礎理学療法学会学術大会 | 異なる速度での着座動作における体幹、下肢のアライメント差異について | 香味大樹 |
第28回日本基礎理学療法学会学術大会 | 運動映像に対して視線を向ける部位が異なることで脊髄前角細胞の興奮性は変化する-視線追跡装置を用いた検討- | 角川広輝 |
第58回京都病院学会 | 胸腰椎後弯を認める頸髄硬膜下血腫術後の症例-独歩における歩行様式の変化に着目して- | 山村篤秀 |
第23回関西理学療法学会症例研究学術大会 | 立ち上がり動作における胸椎の運動に着目し安定性向上を認めた脳挫傷の症例 | 中川理久 |
京都府作業療法士会事例報告会 | 左片麻痺患者の排泄動作獲得を目指した症例-趣味活動の太極拳を通して- | 田中智也 |
京都府作業療法士会事例報告会 | 高次脳機能障害および認知機能障害を呈した患者の更衣動作の介助量軽減に至った一症例 | 願野和貴 |
京都理学療法士会主催症例発表会 | 大腿方形筋に着目した理学療法により靴下の着衣動作を獲得した右人工骨頭置換術後の症例 | 門木万裕子 |
京都理学療法士会主催症例発表会 | 左足部底屈を伴う外がえし筋に着目した理学療法の結果、歩幅が延長した左脛腓骨遠位端骨折術後の症例 | 郡剛士 |
京都理学療法士会主催症例発表会 | T字杖歩行で右前外側への安定性低下を認めた右大腿骨顆部骨折術後の症例 | 岡本航徳 |
京都理学療法士会主催症例発表会 | 降段動作において安定性低下を認めた右大腿骨頸部骨折術後の症例 | 片岡陽美樹 |
京都理学療法士会主催症例発表会 | 立ち上がり動作において安定性低下を認めた左大腿骨顆上骨折術後の症例 | 山﨑あゆみ |
京都理学療法士会主催症例発表会 | 立ち上がり動作の安定性低下と着座動作の安全性低下を認めた胸腰椎椎体骨折の症例 | 武田実久 |
京都理学療法士会主催症例発表会 | 左股関節伸展筋と外転筋の筋力向上により降段動作の安全性、安定性向上を認めた左恥骨坐骨骨折重傷後の症例 | 田中瑞貴 |
学会活動(2022年度)
第41回回復期リハビリテーション病棟協会研究大会in岡山 | 当院回復期リハビリテーション病棟の居室での転倒転落に関する傾向の変化について | 奥森陽平 |
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第41回回復期リハビリテーション病棟協会研究大会in岡山 | 当院リハビリテーション部のインシデントレポート提出率の向上に対する取り組み | 熊本佳子 |
第59回日本リハビリテーション医学会学術集会 | 端座位での前方リーチ動作における胸椎の角度変化 | 宮﨑大貴 |
第27回日本基礎理学療法士学会 | 端座位での前方リーチ動作における体幹伸展筋の筋活動について | 木津彰斗 |
第27回日本基礎理学療法士学会 | 立位下方リーチ肢位保持における胸椎、骨盤アラインメント変化の多様性について | 池田匠 |
第27回日本基礎理学療法士学会 | 端座位での前方リーチ動作における脊柱および股関節の角度変化 | 宮﨑大貴 |
第27回日本基礎理学療法士学会 | 視線を運動部位に向けることで脊髄前角細胞の興奮性は増大する-視線追跡装置を用いた検討- | 角川広輝 |
第27回日本基礎理学療法士学会 | 着座動作における体幹、骨盤、股関節のアラインメント変化について | 香味大樹 |
第32回京都府理学療法士学会 | 包丁動作における安全性安定性の低下を認めた右肘関節脱臼骨折術後の症例 | 川畑春菜 |
第32回京都府理学療法士学会 | 降段動作において左前方への安全性低下を認めた右大腿骨頸部骨折術後の症例 | 村井梨乃 |
第22回関西理学療法学会症例研究学術大会 | 起き上がり動作における体幹機能を分析し理学療法をおこなった脳梗塞片麻痺患者 | 清水宏一郎 |
京都理学療法士会主催症例発表会 | 独歩において右前側方への不安定性を認めた左大腿骨転子部骨折の症例 | 丸尾歩 |
京都理学療法士会主催症例発表会 | 独歩にて左立脚中期から後期が短縮し歩行速度の低下を認めた左大腿骨転子部骨折術後の一症例 | 丸本万里奈 |
京都理学療法士会主催症例発表会 | 独歩において安定性低下を認めた脳梗塞後の症例 | 篠原宗裕 |
京都理学療法士会主催症例発表会 | 歩行動作において右下肢の振り出しとともに右側方への安定性低下を認めた左大腿骨転子部骨折術後の症例 | 山口直城 |
京都理学療法士会主催症例発表会 | ポータブルトイレからの立ち上がり動作において後下方への安全性低下を認めた左内包後脚脳梗塞、右急性硬膜下血種の症例 | 橋本志旺 |
京都府作業療法士会事例報告会 | 家族や友人に料理やコーヒーを振舞いたい-調理動作で成功体験を得て、自信の獲得を図った一症例- | 今重百々菜 |
京都府作業療法士会事例報告会 | 言語化することで動作に対する認識の変化がみられた症例 | 藤井彩季 |
キャリアサポート
リハビリテーションの治療に必要な
論理的思考を学び、
言語化、発信していく力を育てます。
セラピストとして必要な「治せる力」を身に付け、セラピスト自身がリハビリテーションを通して働きがいを感じることがとても重要だと考えます。評価における問題点の見つけ方、治療における問題点の解決の仕方を臨床場面で個別的に、かつ実践的な知識および技術のサポートをおこなっていきます。
EMG
EMGから広がる
リハビリテーションの可能性。
リハビリテーションは正常運動を知り、理解することが問題解決の第一歩になります。最適解に近づくため、表面筋電図によって可視化されたデータから、より深く理解を図ります。さまざまな成果は日々のリハビリテーションに還元されるとともに、学術大会を通して発信をしています。私たちは、表面筋電図から得られる客観的な指標からエビデンスに基づいたリハビリテーション治療の確立を目指しています。
セラピストの魅力
京都田辺記念病院で働く、
地域に貢献していく想い
理学療法士の魅力
京都田辺記念病院で働く理学療法士の魅力
京都田辺記念病院では、多職種連携を図りながら、一人ひとりに合わせた理学療法を提供しています。理学療法士は、患者様の社会復帰のために必要な動作を考え、問題となる機能障害に対しリハビリテーションを展開してきます。理学療法士として、リハビリテーションチームの一員として、患者様の社会復帰を手助けできるように日々精進していきます。
京都田辺記念病院で働く理学療法士のやりがい
私たちがいただける「ありがとう」は重みが違うと思っています。出来なかったことが出来るようになった時、以前の生活に戻れるようになった時、リハビリテーションを互いに頑張ってきた患者様からいただける「ありがとう」の一言が、理学療法士になって良かったと思える瞬間であり、理学療法士として働く一番のやりがいです。
作業療法士の魅力
京都田辺記念病院で働く作業療法士の魅力
京都田辺記念病院では急性期を経て状態が安定してきた患者様に対し、具体的な生活をイメージし必要な動作の評価をおこない、自宅や職場復帰に向けた作業療法を提供しています。心身の回復はもちろん、趣味などの生きがいといった個々の患者様に寄り添い、より良い生活を送るサポートができるところに魅力を感じています。
京都田辺記念病院で働く作業療法士のやりがい
同じ病気や怪我でも、患者様の価値観や性格は多種多様です。一人ひとりの考えを理解し患者様の思いを尊重しながら、その人らしい生活の実現を目指すなかで、患者様と共有した目標を達成できたとき、患者様の一番の笑顔を見ることができたとき、作業療法士として大きなやりがいを感じます。
言語聴覚士の魅力
京都田辺記念病院で働く言語聴覚士の魅力
京都田辺記念病院では多くの専門職によってチームが組まれ、力を合わせて患者様の心身機能の回復を図り、自宅復帰や社会復帰を目指しています。そのなかで、言語聴覚士は話す・聞くの「コミュニケーション」や社会生活を営むための「高次脳機能」、生命維持に不可欠な「食べる」に特化したアプローチを実施しています。
京都田辺記念病院で働く言語聴覚士のやりがい
私は理学療法士として働き始め、現在は言語聴覚士の資格を取得しリハビリテーションを提供しています。言語聴覚士として、少しずつご自身のことばで話すことができたとき、ジェスチャーや代替手段を用いながら相手に思いが通じたとき、口からご飯を食べられるようになったとき、美味しいものをもっとたくさん食べたいという意欲や笑顔が見えたとき、やりがいを感じます。